羞恥心からの気づき

僕はもともと内気な性格であった。

小学校中学年の時には、歯磨きが嫌いであった。

10歳ほど年の離れた3姉妹のいとこがいるのだ、よく一番下のお姉ちゃんに息が臭いと言われていた。

内心遊び半分だと分かっていたものの、傷ついた記憶が残っている。

そんなこともあり、人前で何か物を話すことが嫌いになっていた。

いろいろな興味が芽生えてくる4年生になったころであろうか。

僕は3時限目のある光景が気になって仕方なかった。

どたばたと走り回る「シン」だ。

彼は身長130㎝もあろうかというほどの小ささだ。

後々知るのだが彼は未熟児で生まれ、身長が伸びない病気だった。

そのシンが走り回るたびに、彼の下半身についた豆粒ほどのものが揺れている。

タオルも巻かず無邪気に遊ぶ彼を、内気な僕は直視することができない。

”でも…見たい”

僕は横目に彼を見ながら、着替える。

自分以外の人の性器が気になったことなんてないのに…僕は変なのだろうか?

気づかれまいとすぐ視線は戻すものの、僕の目は自然と動く。

何度も何度も。

”レオ早く着替えなきゃ!”そう友達の「トモキ」に言われて僕は視線をすぐさま戻す。

鼓動が鳴る、訳が分からない。

”そ、そうだね”と僕はきびすを返す。

~~~~~キーンコーンカーーンコーン~~~~

慌てて僕は国語の教科書を取り出した。

プールの着替えのたびに僕は同じ過ちを繰り返したのだが、

今思えばこれが始まりだったのかもしれない。

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